SCROLL
日の出前から土を耕す 2021
藍のままに
育てる
藍色の質は、乾燥葉を発酵させてつくられる「蒅(すくも)」、さらに言えば藍の葉、一葉一葉に影響されると僕たちは考えています。藍色の全責任を自分たちで背負いたい。ならば、藍を育てることからはじめよう。より上質な色素を、より多く含む藍。その藍が本来生まれもった「らしさ」を存分に有する藍を。そのために良質な土づくりと、いきいきと育つ環境を整えることを重視しています。
藍のままに
育てる
耕畜連携で
循環する
土づくり
藍畑にまく肥料は、Watanabe’sと親交の深い(有)NOUDAの養豚場でつくられる完熟堆肥を使用しています。徳島県の特産品である金時芋(なると金時)などの規格外品を(有)NOUDAの金時豚が主食とし、その糞や尿を堆肥化。発酵によってうまれる完熟堆肥は冬でも湯気が立ち昇るほど有効微生物を含む上質なものです。それを地元の農地に還元するサステナブルな循環が、Watanabe’sの藍畑の土も豊かにしています。

発酵による完熟堆肥 2021.11

切り返しのため水を打つ 2021.11

水と空気だけで、
一度目の発酵
藍染の原料となる「蒅(すくも )」は、畑で収穫し乾燥させた葉藍(乾燥葉)を土間(寝床)に広げ、水を打ち満遍なくかき混ぜ発酵させることでつくられます。「寝せ込み」というはじまりの日から百日以上、十数回の「切り返し」を経てうまれる蒅は時間も労力も想像以上にかかるもの。発酵のピーク時には蒅の中心部は摂氏70度ほどにもなり、寝床全体には朦々とした湯気、むせ返るほど強い匂いが立ち込めます。俵に詰められた後は、発酵が落ち着くまで寝かせる熟成期間も欠かせません。